家事代行サービス利用規約の意義


【意義】

家事代行サービス利用規約は、サービス提供者が利用者に対して部屋掃除、買物、収納等の家事代行を行う場合に用いられる規約で申込方法、家事代行サービスの範囲、料金、退会、禁止行為等の項目が定められます。

 

家事代行サービスは、仕事の完成を目的としたものではなく、業務を実施することが目的であるため、その法的性質は、準委任契約となります。

 

 


【家事代行サービスの範囲】

対応可能なサービスと対応不可なサービスを規定するのが一般的で例えば、次のような形で区分けされるの通例です。

<対応可能なサービス>

キッチン、トイレ等の水回りの掃除

部屋及び廊下の掃除並びにこれらの片付け

 

<対応不可なサービス>

高齢者又は障害者の身体介護

医療行為

高所作業又は危険を伴う作業

重量物の運搬

 

 


【水道光熱費の取扱い】

家事代行サービスでは、サービス提供者が利用者の自宅等のガス、水道及び電気を使用することがありますが、その場合の水道光熱費の負担については、利用者が負担するのが一般的です。

 

 


【貴重品の管理】

利用者の自宅等において、現金、キャッシュカード・身分証明書、実印等の貴重品が存在している場合があり、家事代行サービスの実施中に、これらが紛失し、又はこれらに盗難があった場合、サービス提供者の責任が問題となる可能性があります。

 

そのため、これらの貴重品については、利用者が厳重な管理を行う旨の規定が家事代行サービス利用規約に定められることが多いといえます。

 

 


【鍵の貸与】

利用者の不在宅中に家事代行サービスを実施する場合に備えて、利用者からサービス提供者に対する鍵の貸与に関する条項が定められることがあります。

 

一般的には、次のような項目が定められます。

(1)鍵の貸与時にサービス提供者から利用者に対して鍵の「鍵預り証」を発行すること。

(2)鍵の紛失又は破損時の交換費用は、サービス提供者の負担となること。

(3)鍵の複製は、利用者が行うこと。

(4)利用者から求められた場合又は家事代行サービスを終了する場合に貸与を受けた鍵をサービス提供者が利用者に返還すること。