No.12-契約書作成時に雛形を用いる場合の留意点


 

Q この度、新規の取引先と継続的商品売買契約を締結することになったため、契約書を作成しようと考えております。契約書を作成する場合に、一般的に巷に出回っている雛形を参照しようと考えておりますが、何か問題があるでしょうか?

 

 


 

A

<雛形を利用する場合の留意点>

⇒ 契約書の作成を行う場合、雛形を参照しながら行うことは一般的な行為で、契約条項に不足がないようにしたり、必要事項を書き漏らさないようにするためには有用であるといえます。

 

現実に、国土交通省作成の賃貸住宅標準契約書等、官公署がモデル契約書を一般向けに公表する場合が増えてきており、それらのモデル契約書が業界内で通用しています。

 

しかし、雛形に書かれている条項を正確に理解せずに、そのまま雛形を利用すると、実害を被ることがあります。例えば、相手方による代金の支払いが分割払いであるにもかかわらず、期限の利益喪失条項や所有権留保条項が設けていない雛形だと、債権回収が迅速に行えず、取引上のリスクを抱えたままになります。

 

したがって、雛形を利用する場合、取引の実情に合わせる必要があります。

 

また、雛形は契約当事者双方が公平になるように書かれているケースが多いといえ、自己にとって有利な契約書にしたければ、雛形を一定程度修正しないと使えません。雛形やモデル契約書は当事者が実質的に対等という前提で作られていることが多いのです。

 

したがって、雛形を用いるのであれば、その中身が自己の立場に相応しいのかを見極める必要があります。