マッチングサイト利用規約の意義


【意義】

マッチングサイト利用規約は、サービス提供者が利用者間同士で業務の受注又は発注を行うためのサイトを提供する場合に用いられる利用規です。

 

マッチングサイト利用規約では、サービス内容、会員登録、利用料金、自己責任の原則、禁止行為、利用者が受注者又は発注者となる場合の責務、免責、チャットメッセージの閲覧等の事項が規定されます。

 

マッチングサイトでは、利用者間同士で受注又は発注の取引を行い、サービス提供者がこれに関与しない形となります。

 

なお、マッチングサイトにおいて、利用者間同士でクローズドチャットを利用することができる場合、電気通信事業法の規定に基づく電気通信事業者としての届出又は登録が必要となります。

 

 


【利用料金】

利用料金については、完全無料の場合と有料の場合が存在します。

 

有料の場合については、利用者間同士で案件が成約したときに、一定の割合で算出された手数料が徴収される場合があります。

 

 


【自己責任の原則】

サービス提供者は、利用者間同士での取引については、関与せず、その取引から債務不履行、契約不適合等の問題が生じたときは、利用者間同士で解決する旨の条項がマッチングサイト利用規約において定められます。

 

 


【禁止行為】

利用者が案件を獲得するため虚偽の経歴をマッチングサイト上に記載し、又は第三者の権利を侵害するような形で案件を遂行する等の可能性があるため、これらの行為を禁止行為として定めることが考えられます。

 

 


【免責】

サービス提供者が利用者間同士での法的紛争について一切の責任を負わない旨がマッチングサイト利用規約において定められることが多いといえます。

 

ただし、法的紛争が生じているのを知っておきながらマッチングサイトの健全化を放置しているような場合には、サービス提供者がマッチングサイトを健全に運営する義務に反することになるため、サービス提供者が一定の法的責任を負う可能性がある点に注意を要します。

 

 


【チャットメッセージの閲覧】

マッチングサイトの運営及び管理の適正化を目的として、サービス提供者が社会通念上相当な範囲で利用者間同士のチャットメッセージを閲覧できる旨の条項がマッチングサイト利用規約において定められることがあります。

 

ただし、チャットメッセージの閲覧は、利用者に対するプライバシー権を侵害するおそれがあるため、むやみやたらにサービス提供者が実施することはできない点には注意が必要です。