No.292-契約書と有効期間


 

Q 契約書に有効期間を記載しないとどうなりますか?

 

 


 

A

<契約書における有効期間の存在>

⇒ 契約書には有効期間が規定されることが一般的なため、もし有効期間を契約で取り決めなかった場合、契約が無効になるのかという疑問もありますが、仮に契約の有効期間を取り決めなくとも、民法上の「期間の定めのない契約」として、契約は成立します。

 

そして、民法の典型契約の一部で、「期間の定めのない契約」は、当事者の一方から任意の時期に解約申し入れができることになっています。

 

 

<解約に対する民法の規定>

⇒ 例えば、民法では下記のようになっています。

 

・ 民法617条(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)

「当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。」

 

・ 民法627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」

 

ただし、当事者の一方から突如解約されると、相手に対して不測の損害を及ぼすことになるため、実務上契約書に有効期間の定めをはっきりと規定します。