No.155-民法から見た職務発明契約の法的性質


 

Q.

職務発明契約には、「特許を受ける権利」が発生した時点で会社等の使用者にそれを帰属させるものと「特許を受ける権利」を一旦従業員にそれを帰属させた上で会社等の使用者がそれを承継するものとの2種類が考えられますが、これらの法的性質は、どのようなものですか?

 

 


 

A.

「特許を受ける権利」が発生した時点で会社等の使用者にそれを帰属させる職務発明契約の法的性質は、民法にはない非典型契約という位置付けになります。

 

一方、「特許を受ける権利」を一旦従業員に帰属させた上で会社等の使用者がそれを承継する職務発明契約の法的性質は、「特許を受ける権利」を目的物とした民法における典型契約(売買契約)という位置付けになります。