コールセンター業務委託契約書の意義


【意義】

コールセンター業務委託契約書は、委託者が受託者に対してコールセンターにおける電話対応業務を委託する場合に用いられる契約書で、コールセンター業務委託契約の性質は、準委任契約であると考えられます。

 

事業が軌道に乗り、電話対応の数が増えてくると自社だけでは対応できなくなるところ、新たに従業員を雇用して電話対応業務に関する教育を実施すると時間、コスト等がかかってしまいます。

 

そこで、新たに従業員を雇用することなく、電話対応業務をアウトソーシングするため、コールセンター業務委託契約が利用されます。

 

 


【個人情報の保護】

コールセンター業務を受託者が実施する場合、委託者のユーザー、顧客等の個人情報に接することになるため、コールセンター業務委託契約書においては、受託者がコールセンター業務の実施に際して知り得た個人情報を第三者に開示及び漏洩しないことが規定されます。

 

その上で個人情報について受託者が第三者から開示、苦情等を受けたときは、受託者は、直ちに委託者に対してその旨を通知することとし、委託者の指示を受けることが併せて規定されます。

 

 


【ユーザー、顧客等のデータベース】

受託者がコールセンター業務を実施することにより、ユーザー、顧客等のデータベースを作成することがありますが、特約がなければ、受託者にその著作権が帰属することになります。

 

そのため、コールセンター業務委託契約の終了時に委託料が全て支払われることを条件としてその著作権(著作権法第27条及び同法第28条に定める権利を含む。)その他一切の権利が受託者から委託者に移転する旨がコールセンター業務委託契約書に規定されることがあります。

 

 


【報告義務】

コールセンター業務を実施するに際し、ユーザー、顧客等からクレームを受けた場合には、受託者は、委託者に対し、直ちにその旨を通知する旨の条項がコールセンター業務委託契約書において規定されることが多いといえます。