トランクルームサービス利用規約の意義


【意義】

トランクルームサービス利用規約は、サービス提供者が自らの倉庫において利用者から寄託を受けた物品を保管し、利用者がそれに対して一定の利用料金を支払う場合に用いられる利用規です。

 

トランクルームサービス利用規約では、サービス内容、会員登録、寄託物の集荷及び出庫、寄託できない物品、利用料金、保管に適さなくなった寄託物への対応、禁止行為、寄託物の返還の拒絶、寄託物の処分、賠償額の予定等の事項が規定されます。

 

なお、トランクルームサービスの法的性質は、寄託契だと考えられます。

 

 


【寄託できない物品】

トランクルームサービスにおいて、利用者は、どのような物品でも寄託できるというわけではなく、一定の物品については、寄託できないとされることがほとんどといえます。寄託できない物品の代表例としては、次のものがあります。

 

(1)現金、有価証券類

(2)貴金属、美術品類

(3)精密機器、ガラス製品、陶磁器類

(4)磁気を発することにより他の保管品に影響を与える物品類

(5)灯油、ガソリン、ガスボンベ、マッチ、ライター、塗料等の可燃物類

(6)農薬、劇薬、火薬類

(7)食品、動物又は植物類

(8)液体類

(9)異臭若しくは悪臭を発し、又はこれらを発するおそれのある物品類

(10)廃棄物類

(11)法令により所持を禁止されている物品類

 

 


【利用料金】

トランクルームサービスにおける利用料金の定め方としては、月額料金制が採用されることが多いといえます。

 

 


【保管に適さなくなった寄託物への対応】

寄託物が変質、毀損等により保管に適さなくなった等の事態が生じたときは、サービス提供者は、利用者に対して必要な処置を行う旨の催告を行い、利用者がサービス提供者が定めた期間内にその催告に応じないときは、サービス提供者が寄託物の廃棄その他の必要な処置を行うことができるとされることが多いといえます。

 

 


【寄託物の返還の拒絶】

トランクルームサービス利用規約では、トランクルームサービスの利用料金、遅延損害金その他の一切の債務の支払いが完了するまでの間、サービス提供者は、利用者からの寄託物の返還請求に応じないとされる形が一般的です。

 

この場合、利用者からの返還に応じていない間に生じた利用料金についても、利用者が支払わなければならないとされます。

 

 


【寄託物の処分】

利用者が寄託物を引き取ることができず、若しくは引き取ることを拒み、又はサービス提供者の過失なくして利用者を確知することができない場合であって、利用者に対して期限を定めて寄託物の引き取りを催告したにもかかわらず、その期間内に引き取りがなされないときは、サービス提供者が利用者に対して予告した上で、公正な第三者を立ち会わせて寄託物の売却その他の処分をすることができるとされることが多いといえます。

 

その場合、その代価から利用料金その他の費用、立替金及び延滞金並びに売却のために要した費用を控除し、残額があるときは、これを利用者に返還し、不足があるときは、利用者に対してその支払を請求する形になります。

 

 


【賠償額の予定】

寄託物が滅失、損傷等をしたことによりサービス提供者が利用者に対して損害賠償責任を負うことになった場合には、サービス提供者が利用者に対して負担する損害賠償額が過大にならないようその責任の範囲を限定する場合があります。