当事者表記の重要性
契約書を作成する場合、当事者が個人であるか法人であるかを問わず、「当事者」に該当する者に契約上の効果が帰属し、当事者表記が不明確だと、契約の効果の帰属に関して争いが生じることもあり得るため、当事者表記を正確に行うことが重要となります。
正確に記載するためのポイント
当事者表記を正確に行うためのポイントは、①当事者の住所②氏名・名称③契約締結権限の三つを記載することです。
①当事者の住所について
会社が当事者となる場合、通常、商業登記簿上の本店所在地を住所として記載することになりますが、実質的な事業を他の場所で行っていた場合、その場所を住所として記載し、商業登記簿上の本店所在地を括弧書きにして表記します。
例えば、以下のような形で表記します。
甲 東京都新宿区○丁目○番○号
(登記簿上の本店所在地 東京都中央区○丁目○番○号)
株式会社A
代表取締役 ○○ ○○ 印
③契約締結権限について
会社が契約の当事者となる場合、契約締結者が会社を代表する権限を有することが必要なため、契約締結者の名前の前に「代表取締役」や「支店長」等、会社を代表する権限を示す文言を記載することが重要となります。