Q.
取引基本契約では、個別契約の成立要件を明記することが重要と聞きましたが、それはどうしてですか?
A.
取引基本契約における個別契約の成立要件として、注文書と注文請書の交付を求めないのであれば、売主が買主から発注を受けた際に、遅滞なく、その諾否の通知を発しなければ、個別契約が成立したものと取り扱われます。
しかし、これでは、注文書が売主の事業所に届いていたにもかかわらず、社内での情報伝達が不十分なことにより、担当者が買主からの発注に気付かなかった場合、売主は、買主に目的物を納品できず、売主が債務不履行責任を負う可能性があります。
そこで、取引基本契約の成立要件として、注文書と注文請書の交付を要するとしておき、注文請書を交付しない限り個別契約は成立しないようにすることが考えられます。