債務弁済契約公正証書の具体例と強制執行



債務弁済契約の具体例

債務弁済契約は、債務者が債権者に対して契約関係や不法行為等により給付義務が生じた場合、その義務を債務者が債権者に承認し、履行を約する契約といえます。


具体的な活用例としては、滞っている売掛金の支払い、横領した金銭の弁済、借金返済のリスケジュール等の場合に用いられ、債権債務関係を明確にする意図のため、債務弁済契約が締結されます。


この点、金銭消費貸借契約を例にとれば、貸したお金の返済が滞っているため当事者間で返済条件を再度見直す場合、その支払いをどのようにして返済していくのか、返済期限はいつまでか、支払回数は何回か、利息はどうするのか等の事項を文面化(=契約書の作成)して、後で「話がちがう」等と主張させないようすることが大事となります。




公証役場の活用

債務弁済契約を契約書にする場合、通常の私文書ではなく、執行力の確保を目的として、公文書として債務弁済契約書を公正証書にすることがよく行われます。


「執行力の確保を目的として」とは、公正証書の中に、金銭の支払いを約束し、もし約束通り支払わなければ、直ちに強制執行を受けてもよい旨の条項(強制執行認諾条項)を盛り込んで作成しておけば、万一債務者が約束通り金銭を支払わない場合、債権者は民事裁判をせずに強制執行をできるということです。