No.46-離婚協議書における清算条項


 

Q 離婚協議書や離婚公正証書に清算条項が設けられることがありますが、清算条項とは何ですか?

 

 


 

 A

<離婚協議書に記載される清算条項の意味>

⇒ 清算条項とは、当事者間に、離婚協議書や離婚公正証書に記載した権利関係のほかには、何らの債権債務のないことを相互に確認する旨の条項です。                        

 

例えば、「本件離婚に関し、以上をもってすべて解決したものとし、今後、互いに何らの財産上の請求をしない。」又は、「本公正証書に定めるほか、何らの債権債務のないことを相互に確認する。」といったような記載がなされます。

 

上記のように、離婚に際し、当事者間で清算条項を定めると、以後慰謝料や財産分与を請求できなくなるため、離婚協議書作成時には注意を要します。

 

 

<清算条項の工夫>

⇒ 慰謝料や財産分与について、合意できない場合に、将来それらを請求する可能性があるときは、清算すべき法律関係から除外することにより、後日請求できる余地を残しておくことが可能です。

 

 

<清算条項と養育費の関係>

⇒ 養育費については、「事情変更の原則」が適用されるため、合意の基礎となった事情に変化があった場合、清算条項を設けていても、養育費の増額請求をしたりすることは可能で、慰謝料、財産分与と取扱いが異なる点に注意を要します。