ファイナンスリース契約書の意義


【意義】

ファイナンスリース契約書は、機械設備等を必要とするユーザーがサプライヤーから直接購入することなくリース事業者にサプライヤーから機械設備等を購入してもらった上でこれを借り受け、その対価(=リース料)をリース事業者に支払う場合に用いられる契約書です。

 

ファイナンスリース契約は、ユーザーが導入希望する機械設備等のリース物件の購入資金をリース事業者から借り入れし、その代償として、リース事業者にリース料を支払うという形態をとることにより、リース事業者からユーザーに金融の便宜があり、これと同時にリース物件の賃貸を行ったものとして、民法上の無名契約に該当すると考えられています。

 

 


【物件借受証の交付】

ファイナンスリース契約で定めた設置場所へリース物件が引き渡されたときは、ユーザーは、そのリース物件について、契約不適合があるか否かを検査し、問題がなければ、物件借受証をリース事業者へ交付し、その交付をもって、リース物件の引渡しが完了し、かつ、リース期間が開始されるとすることがあります。

 

 


【修繕義務】

リース期間中におけるリース物件の修繕については、ユーザーが行う形が一般的です。

 

 


【中途解約】

ファイナンスリース契約では、ユーザーからの中途解約は、認められていないのが一般的で、これは、毎月のリース料支払いが金銭消費貸借契約における借入金債務の分割弁済と同様の機能を有しているためです。

 

ただし、リース事業者としては、予定のリース料の総額を回収できればいいと考えているため、ユーザーが残存リース料の全額を支払えば、ファイナンスリース契約を中途解約できるとすることがあります。

 

 


【契約不適合責任】

ファイナンスリース契約では、サプライヤーが機械設備等のリース物件をユーザーに引き渡すことになっており、リース事業者は、これに関与していないため、機械設備等のリース物件に契約不適合があっても、リース事業者は、自らに故意又は重過失がある場合を除き、その責任を負わないとするのが通常です。

 

なお、リース事業者が契約不適合責任を負わない場合には、リース事業者がサプライヤーへの損害賠償請求権をユーザーに譲渡することが考えられます。

 

 


【保証金】

ファイナンスリース契約では、リース料の支払いが遅延した場合に、リース料支払債務を担保するため、ユーザーからリース事業者へ保証金を預託することがあります。