レシピライセンス契約書の意義


【意義】

レシピライセンス契約書は、レシピについてのノウハウを有するライセンサーがライセンシーに対してそのノウハウを利用して製品の製造販売を行うことを許諾する場合に用いられる契約書です。

 

レシピのノウハウが次に定める不正競争防止法上の「営業秘密」の要件に合致し、第三者による同法の不正競争があり、営業上の利益が侵害されているときは、レシピについてのノウハウを有するライセンサーは、同法によりその第三者に対して損害賠償請求等を行うことができます。

 

「秘密管理性」

秘密として管理されていること。

有用性」

生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること。

「非公知性」

 公然と知られていないこと。

 

もし、上記の要件のいずれかが欠けるとレシピのノウハウを有するライセンサーが不正競争防止法上の保護を受けられなくなるため、レシピライセンス契約書では、秘密保持の規定が重要となります。

 

 


【レシピのノウハウについての提供方法】

レシピのノウハウについての提供方法については、レシピのノウハウが外部に漏れないようにするという観点を重視すると口頭により提供するのが望ましいと考えられます。

 

ただ、口頭による提供だとライセンサーが債務を履行したか否かが不明確になるため、書面による提供が行われることがあります。

 

 


【技術指導】

単にライセンサーからライセンシーに対してレシピのノウハウが開示されても適切な技術指導がないと製品の製造販売が上手く行かない場合があると考えられます。

 

そこでレシピライセンス契約では、レシピのノウハウについての技術指導条項が定められることがあり、その場合の費用負担、実施回数等が規定されることがあります。