料理教室利用規約の意義


【意義】

料理教室利用規約は、教室側が生徒に対して料理の説明、実習等を実施する場合に用いられる規約で申込方法、業務の範囲、料金、キャンセル、レッスンの中止、退会、禁止行為、知的財産権の帰属、食物アレルギー対策等の項目が定められます。

 

料理教室におけるサービスは、仕事の完成を目的としたものではなく、業務を実施することが目的であるため、その法的性質は、準委任契約となります。

 

 


【キャンセル】

料理教室の場合、食材の準備の関係があるため、キャンセル時にキャンセル料が生じることが多いといえます。

 

例えば、次のような形で定められます。

 

【教室への通知日(日数計算には、土曜日、日曜日及び祝日を含む。)】   

レッスン日の〇日前   キャンセル料 50%

レッスン日の〇日前   キャンセル料 70%

レッスン日の当日    キャンセル料 100%

 

なお、生徒がレッスンに参加しない場合であっても、キャンセル料を支払った生徒については、教室側がその生徒に対してレシピ、資料等を提供することが多いといえます。

 

 


【レッスンの中止】

レッスン開始前に公共交通機関の運休、台風の接近、最低開講人数の未達等の事情によりレッスンが行えなくなる場合が想定され、料理教室利用規約では、レッスンが中止される場合の事由及び中止となったレッスン分の料金の全額返金又は他のレッスンへの振替に関する事項が規定されます。

 

 


【禁止行為】

生徒が他の生徒又は教室側の講師に対して嫌がらせ、営業等を行う可能性があるため、これらの行為を禁止行為として定めることが考えられます。

 

 


【知的財産権の帰属】

料理教室では、教室側から生徒に対してレシピ、資料等が提供されることがあり、それ自体に著作権等の知的財産権が生じる可能性があるため、そのサービス実施中に生じた知的財産権の帰属の取扱いについて定める必要があります。

 

 


【食物アレルギー対策】

料理教室利用規約では、教室側が食材の代替対応及び器具の使い分けをはじめとした食物アレルギー対策を行わない形にするのが一般的です。

 

 


【持ち帰り】

料理教室で作った料理の持ち帰りについては、食品衛生面の観点から、認められないとするのがほとんどといえます。