特定行政書士 伊奈川 啓明 (いながわ けいめい)
明治学院大学法学部卒業
行政書士登録番号(13081130号)
東京都行政書士会新宿支部所属(9555号)
主たる取扱業務(契約書作成)
最初の御相談から最終の離婚協議書完成まで
特定行政書士の伊奈川啓明が
一人で行います!!
離婚協議書作成について、簡単なものから複雑なものまで、
私一人で完成させております。
離婚協議書作成については、
国家資格(総務省)を有する行政書士へお任せ下さい!!
(行政書士は、御依頼者様に代わって、行政書士法に基づき
離婚協議書等の法律文書の作成を専門的かつ合法的に行えます。)
協議離婚することになったが、口約束だけでは養育費の不払いが生じる可能性がある、面会交流の条件をあらかじめ決めておきたい等の事情がある場合には、夫婦間でじっくり話し合いをした上で離婚協議書又は離婚公正証書を作成することが望ましいといえます。
⇒いながわ行政書士総合法務事務所では、このような事情を抱える方を対象に離婚協議書の作成又は離婚公正証書の作成支援を専門に行っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
・ 離婚の種類
離婚の種類には、主に協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚、訴訟上の和解による離婚及び請求の認諾による離婚があります。
協議離婚以外の離婚については、裁判所の手続きが必要となります。
なお、協議離婚が離婚全体の9割を占めています。
・ 離婚協議書の必要性
夫婦が協議離婚を行う場合、親権、監護権、面会交流、財産分与、慰謝料、養育費等の事項について合意し、離婚協議書を作成する事例が増えています。
離婚協議書が無くても、協議離婚することは可能ですが、後の紛争防止の観点から、明確に離婚協議書を取り交わすことが重要となります。
例えば、離婚後、未成年の子の大学進学費、疾病による治療費その他の一時的な出費が予想され、養育費について事前に金額、支払期間、支払回数等を明確に合意できていないとその負担をめぐり、トラブルになることが予想されます。
協議離婚時には、「離婚したい一心で離婚協議書を取り交わすことなく、勢いで離婚届を提出する」ことだけは、避けるべきといえます。
・離婚協議書での合意事項を相手方が履行しない場合
相手方が合意した額の養育費、財産分与等を支払わないときは、一定の場合を除き、調停ではなく、一般の民事訴訟により、これらの支払を求めて訴訟提起することになります。
・ 離婚協議書又は離婚公正証書で定める条項
離婚協議書又は離婚公正証書で一般的に定める条項は、下記のとおりとなります。
(1)離婚の合意
(2)親権者の指定
(3)慰謝料
(4)財産分与
(5)養育費
(6)面会交流
(7)年金分割
(8)清算条項
(9)強制執行認諾文言(離婚公正証書の場合にのみ規定)
・ 離婚の合意
離婚協議書には、離婚の合意がなされたことを明記し、併せて離婚届が速やかに届出されるように夫婦一方の届出義務が明記されるのが通例です(必要に応じ「令和〇年〇月〇日までに」等の形で離婚届の届出時期を明記する場合があります。)。
これは、離婚協議書が締結された後に、離婚の届出が意思に反して行われたといった主張がなされた場合に、明確に対応できるようにするためです。
なお、このような合意をしたのにもかかわらず、届出義務が課された相手方が離婚届を提出せず、又は相手方が不受理申出を行っていたことにより、協議離婚が成立しない場合、もはや強制的に離婚を成立させることはできません(相手方がこのような対応を行ったときは、相手方に対して慰謝料請求をする余地があります。)。
・ 親権者の指定
夫婦間に未成年の子が存在するときは、離婚の届出を行う際、協議でその一方を親権者と定め、離婚の届出と同時に、親権者の指定の届出をしなければなりません。
この場合において、親権者と監護権者を分けることも可能であり、親権者と監護権者を分けたときは、次のような形となり、親権者は、主に財産管理権を有し、監護権者は、主に身上監護権を有することになります。
【親権者の権限】
(1)嫡出否認の訴えの被告
(2)認知の訴え
(3)子の氏の変更
(4)代諾養子
(5)養親が20歳未満の者である場合の縁組の解消
(6)協議離縁
(7)離縁の訴え
(8)親権の代行
(9)財産に関する法律行為の代理権
【監護権者の権限】
(1)子の代諾養子の同意
(2)監護教育権
(3)居所指定権
(4)職業許可権
ただし、親権者と監護権者を分けると、例えば、子が交通事故に遭遇した場合の示談契約締結時に監護権者だけではこれに対応できず、親権者の協力が必要になる等の不都合が生じるため、親権者と監護権者を分けることについては、慎重に対応する必要があります。
なお、未成年の子が複数存在する場合には、兄弟姉妹を一緒に養育する方が子の福祉に資するという考え方(兄弟姉妹不分離の原則)から、原則、子ごとに親権者を分けるのは、避けた方がいいとされます。
ただし、子ごとに親権者を分けることについて、合理的な理由があれば、子ごとに親権者を分けることも構わないとされます。
・ 慰謝料
相手方の有責行為により離婚するに至ったときは、不法行為による損害賠償として慰謝料請求権を有し、ここにいう慰謝料については、「離婚慰謝料」と呼ばれます。
不貞行為、暴力等離婚原因となった個々の不法行為それ自体の慰謝料については、「離婚原因慰謝料」と呼ばれます。
実務において、特に明示がなければ、「離婚慰謝料」と「離婚原因慰謝料」の二つをひとまとめにしたものを離婚時に請求できる慰謝料と位置付けています。
なお、「離婚慰謝料」及び「離婚原因慰謝料」の消滅時効の起算時点は、次のとおりとなります。
(1)「離婚慰謝料」
⇒離婚が成立した時
(2)「離婚原因慰謝料」
⇒個々の不法行為があった時
・ 財産分与
離婚時に、配偶者の一方は資力のある他方に対し、財産分与を請求する権利があり、財産分与請求権の中身には、(1)婚姻中に形成された実質的共同財産の清算(清算的財産分与)、(2)有責行為により離婚に至らしめたことを理由としてなされる慰謝料の支払(慰謝料的財産分与)、(3)離婚により自活できない一方当事者に対し、経済力のある他方当事者が行う扶養(扶養的財産分与)があります。
【清算的財産分与】
清算的財産分与の対象は、原則、(1)夫婦の協力で取得した財産で名義が夫婦共同のもの(=共有財産)及び(2)夫婦の協力で取得した財産で名義が夫婦の一方となっているもの(=実質的共有財産)です。
婚姻時又は同居開始時のいずれか遅い方から離婚時又は別居開始時のいずれか早い方までに築かれた財産が清算的財産分与の対象となります。
【慰謝料的財産分与】
慰謝料的財産分与を行う場合には、離婚慰謝料及び離婚原因慰謝料を別途請求できる可能性があるため、離婚協議書にこれらの請求をあらためて行うことができない旨の条項が規定される場合があります。
【扶養的財産分与】
扶養的財産分与は、財産分与の中でも補充的なものに位置付けられ、清算的財産分与及び慰謝料的財産分与を含む慰謝料の額では自活が困難である場合に限り、認められます。
扶養的財産分与が実際に認められるには、財産分与義務者の扶養能力があり、かつ、財産分与権利者の要扶養状態にあることが必要とされます。
なお、扶養的財産分与では、清算的財産分与のように分与対象となる財産を確定することはしない形となります。
【財産分与請求者の有責性】
財産分与請求者に婚姻関係破綻の有責性があった場合、その財産分与請求者から財産分与義務者に対して財産分与を請求できるのか否かについては、次のように扱われます。
(1)清算的財産分与
⇒有責性は考慮されない。
(2)慰謝料的財産分与
⇒有責性は考慮される。
(3)扶養的財産分与
⇒有責性は考慮される。
・ 養育費
未成熟子(=成人年齢に達しているか否かを問わず、自分一人の収入で生活できない子の意味で、未熟児といった意味ではありません。)を監護する親は、他方の親へ未成熟子の養育費を請求することができます。
養育費の額については、当事者間で自由に決めることが可能ですが、相場がない状況で、その妥当な額を当事者間で決めるというのはなかなか難しいといえます。
そこで、実務では、裁判所から「養育費・婚姻費用算定表」というものが公表されており、これを参考に養育費の妥当な額を決めることが多いといえます。
・ 面会交流
面会交流とは、親権者又は監護権者として子の監護養育していない親(=非監護親)が、子と実際に接触したり連絡したりすることをいい、離婚時に子がいる場合には、非監護親と監護親との間で面会交流の取り決めがなされることがあります。
面会交流の取決めにおいて、その実施頻度、方法等が定められることになり、非監護親と監護親を拘束することになりますが、その取決めが守られない場合もあり得ます。
例えば、正当な理由がなく、非監護親が監護親に子を会わせないといった事態があり得ます。
そこで、面会交流の取り決めにおいて、実務上、違約金の規定を定めることがあり、「正当な理由がないのにもかかわらず、面会交流に応じないときは、甲は、乙に対し、1回の違反につき、違約金として金〇万円を支払う。」等の条項を定めることがあります。
ただし、上記の条項では、監護親に正当な理由があれば、面会交流に応じなくても違約金を支払う必要がないとされているところ、「監護親に正当な理由があるか否か」を巡り、揉めてしまう可能性がある点に留意する必要があります。
なお、監護親が面会交流に応じない場合に、非監護親が裁判所を利用して監護親から子を引き離して強制的に連れてくるというのは、認められていないため、違約金等の損害賠償請求により間接的に面会交流の履行を促したり、調停又は審判を利用して間接強制又は履行勧告を行うことになります。
・ 年金分割(離婚公正証書を作成する場合に規定)
離婚から2年以内であれば、婚姻期間中の標準報酬総額の多い当事者(第1号改定者といいます。)から少ない当事者(第2号改定者といいます。)に対してその標準報酬総額の一部を分割することができ、協議離婚時に、その分割割合を上限50パーセントとした上で自由に取り決めることが可能で、次のような形でその分割割合を離婚公正証書に規定することがあります。
a.情報通知書を別紙として離婚公正証書に添付し、当事者間で合意した分割割合を離婚公正証書に規定する方法
b.情報通知書を別紙として離婚公正証書に添付せずに、当事者双方の基礎年金番号及び当事者間で合意した分割割合を離婚公正証書に規定する方法
この年金分割において、第1号改定者となり得る者は、厚生年金保険の被保険者又はその被保険者であった当事者に限られ、自営業者をはじめとした第1号被保険者は、この第1号改定者になり得ません。
第2号改定者となり得る者には、第1号被保険者、第2号被保険者又は第3号被保険者のいずれであっても構いません。
なお、 年金分割すること及び按分割合について合意している旨を記入し署名した書類(=年金分割の合意書)を当事者双方又は当事者双方のそれぞれの代理人が年金事務所に直接提出する方法でも合意分割をすることが可能です。
・ 清算条項
清算条項とは、離婚協議書に記載した権利関係以外には、何らの債権債務関係が無い旨を当事者間で確認する条項のことをいいます。
清算条項を設けると、その事項に関して、基本的に蒸し返すことができなくなるため、清算条項の設定については慎重に判断すべき事項といえます。
ただし、清算条項があっても、民法における錯誤及び詐欺の規定は、適用される得るとされているため、これの規定に該当する場合には、清算条項により請求しないとされた慰謝料等を請求できる場合があります。
例えば、夫が不貞関係及びそれにより生じた婚外子の妊娠の事実を隠して、妻との間で清算条項付きの離婚協議書を取り交わした場合、妻に錯誤があるといえるため、清算条項があっても、後で妻から夫に対して慰謝料請求が認められる可能性があります。
・ 相殺処理
離婚協議書又は離婚公正証書においては、養育費請求権、慰謝料請求権、財産分与請求権、夫婦間における貸金返還請求権等各種の債権に関する条項が規定され、「夫から妻へ」、「妻から夫へ」といった形で互いに請求し合うといった場合が出てきます。
そのような場合には、手間又は振込手数料の問題から相殺処理する方が合理的といえる場合があり、実務でも、相殺処理する場合があります。
この点、基本的には、どの債権同士であっても相殺処理することは可能ですが、養育費請求権については、子が非親権者の親に対して扶養義務を求めるものであり、民法で処分一般を禁止していることから、他の債権と相殺できないとされています。
・ 離婚協議書を公正証書にする場合(離婚公正証書)
1.離婚公正証書を作成する場合
離婚条件を離婚協議書で合意する方法以外にも、離婚協議書を公正証書として作成する方法もあります。
離婚協議書を公正証書として作成することがあるのは、養育費、慰謝料、財産分与等の支払いが滞っても、債務者が強制執行に従う旨の文言(=強制執行認諾文言)が公正証書に記載されていれば、裁判によらずに、不動産、動産、給料債権、預金等を差し押さえることができるためです。
特に養育費の支払いが滞りそうな場合には、離婚公正証書の活用を考えておくといいといえます。
ただし、相手に資力がなければ、養育費等の支払を満足に受けることができないことは判決の場合と変わりません。
2.代理人による離婚公正証書の作成
公正証書を作成する場合、公証人法上、当事者又は当事者から委任を受けた代理人が公証役場に出頭する必要があります。
ただし、離婚公正証書の場合、「離婚」という当事者の身分行為に関する事項を取り扱うものであり、公証人から当事者に対する意思の確認が重要とされているため、公証人法の規定にかかわらず、実務運用により、代理人による離婚公正証書の作成が認められないことがあります(各公証人により異なります。)。
なお、トラブル防止の観点から、当事務所で離婚公正証書の作成を支援する場合、離婚公正証書を作成し、その後に養育費の支払いを怠ると簡易に強制執行を受けるおそれがあること等の点について、公証人から直接意思の確認を受ける必要があると考え、原則、当事者が公証役場に出頭して頂く方法をとっております。
3.離婚公正証書の作成と協議離婚の順番
離婚公正証書の作成と協議離婚の順番については、次のどちらでも構いませんが、先に協議離婚が成立すると養育費、慰謝料等を支払う側の当事者が離婚公正証書の作成に協力しないおそれがあるため、a.【先に離婚公正証書を作成してから、協議離婚を成立させる方法】をとることが推奨されます。
a.【先に離婚公正証書を作成してから、協議離婚を成立させる方法】
b.【先に協議離婚を成立させてから、離婚公正証書を作成する方法】
4.離婚公正証書の作成中止と中止手数料
公証人手数料令の規定により、公証人が離婚公正証書の作成に係る事務の取扱いに着手した後、その嘱託を中止したときは、中止手数料を支払わなければいけない場合があります。
5.離婚公正証書の限界
強制執行認諾文言付きの離婚公正証書を作成した場合でも、決して万能なものではなく、面会交流の場面では、家庭裁判所における調停又は審判と異なり、間接強制及び履行勧告が認められておらず、一定の限界がある点に注意を要します。
互いに協議離婚する旨の合意及び離婚条件についても概ね合意できている場合に、離婚協議書の作成をお受けすることが可能です(離婚公正証書の作成支援も可能です。)。
なお、調停離婚、審判離婚又は裁判離婚が必要なケースについては行政書士業務の対象外となる関係で、当事務所ではお受けすることができません。
また、離婚条件が整わず代理交渉が必要なケースについては、代理交渉を業務として行えるのは弁護士のみとなることから、こちらについても、当事務所で取り扱うことはできません。
(離婚協議書作成の場合)
33,000円(税込)~
+実費
(離婚協議書チェックの場合)
5,500円(税込)~
+実費
離婚公正証書を作成する場合の報酬及び実費の額については、お問い合わせ頂いた際に可能な範囲で御案内いたします。